エッセイ

Vol.10 秘宝館の全貌〜其の四 オーロラの彼方

1996年の5月にテレビ東京の「開運なんでも鑑定団」のウォンテッドコーナーに出演させて頂きました。家に取材にきたのですが、自作のジオラマの中に女性レポーターを合成させたりと、なかなか凝った作りをしてくれました。その時に「2万円で譲ってください。」とカメラに向けて万札をヒラヒラさせて求めた一品が、オーロラ・プレヒストリック・シーンズというプラモデルのシリーズの中の「ジャングルスワンプ」でした。

今は無きプラモメーカー「オーロラ」が1971年に発売した「PREHISTORIC SCENES」は、恐竜模型史に残る傑作シリーズです。1/13スケールで統一され、四肢、首などが可動。それぞれにジオラマベースとおまけの小動物等が付いています。ラインナップはティラノサウルス、アロサウルス、トリケラトプス、スティラコサウルス、アンキロサウルス、プテラノドン、ディメトロドン、スミロドン、洞穴熊、フォルスラコス、タールピット(毛サイがはまっている)、ネアンデルタール人、クロマニヨン人(男女)、それに洞窟(洞穴熊のジオラマと合体します)、そして小動物セットになっているジャングルスワンプです。勿論プロポーションは旧きよき時代の恐竜ですがウロコや体毛の表現など素晴らしいですし、ポーズも躍動感があります。
鑑定団の時点でシリーズ中未入手は残す所これだけだったジャングルスワンプ、番組では反応が無かったのですが、その後アメリカのカタログで見つけてめでたく手に入れました(写真右)。入っている小動物は、始祖鳥、ランフォリンクス、コンプソグナトゥス、エオヒップス、キューネオサウルス、蛇、池から頭だけ出しているディプロカウルスです。

上の2枚の写真はオーロラの恐竜を飾った棚です。(違うのも混じっていますが)アンキロサウルス、プテラノドン、ディメトロドンは別のメーカーから再販された物ですが、それ以外はオリジナルです。貴重なキットをストックもせずに作ってしまい、しかも改造までするというのはコレクターにあるまじき行為ですが、当時はまだコレクターではなく恐竜ファンとして恐竜模型を並べたい一心だったので善しとしましょう。と言うより本当はその方が正しい姿勢かなと。

70年代、まだほんとに少なかった恐竜模型を捜し歩いたあの頃を思うと胸キュンものです。私の青春時代だったんですねえ…。

田村博氏

田村 博 Hiroshi Tamura

ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。

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