新恐竜秘宝館

Vol.9 テレビドラマに登場する恐竜など

現在NHKで放送中のドラマ「シングルマザーズ」にフェバリットのスピノサウルス(ビニールモデル)が登場しています。離婚した主人公・沢口靖子の息子が、別れた父親からプレゼントされ大事にしている物。彼はスピノサウルス好きで絵なども書いたりします。
それは良いのですが、ドラマの時代設定は1999年。フェバリットのスピノサウルスはまだ存在していないのです。「時代考証がなっていない」などという大人げない恐竜マニアの声はまだ挙がっていないようですが。

何故こういう場合の定番、ティラノではなくスピノサウルスなのか?
NHKはスピノ好き?
実は2006年のNHK土曜ドラマ「マチベン」第2話も、スピノサウルスの歯を発見したことがある化石愛好家の中学教師が、無実の罪に問われるという話です。先生の机の上に歯のレプリカと発見を報じる新聞の切り抜きがさりげなく置かれているシーンがあるのですが、静止画像でよく見ると文章もそれらしく書かれていてびっくりです。写真 1
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一瞬しか画面に映らず、止めて読む人など、ひょっとしたら私以外にはいないかもしれない新聞記事にも手を抜かないというのは、ドラマ作りのポリシーなのでしょうか。
NHKの2007年の福井を舞台にした朝ドラ「ちりとてちん」でも、主人公が少女時代に肉食恐竜の歯を発見(カガリュウ発見エピソードがモデル)しますが、後に少女の親友が歯の発見者と誤解され、やはりこだわりの新聞記事になります。写真 2(発見直後の歯と記事)
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さらには勝山恐竜博物館に発見者(訂正しそびれて親友のまま)の写真入りで展示されます。

民放も負けてはいません。2003年、テレビ朝日系の土曜ワイド「温泉若おかみの殺人推理・芦原温泉編」は、勝山での恐竜発掘にからむ殺人事件の巻。古生物学者や怪しげな化石ハンターが登場し殺される話ですが、アロサウルスの頭骨が発掘され新聞に載ります。写真 3
hihoukan_9-3.png 頭骨の出来はひどいですが記事は丹念に書かれています。それにしてもアロ頭骨2億円はいくらなんでも高すぎ…というか発見したての化石に値段付けるなって!このドラマ、ホテルの売店に恐竜グッズコーナーがあったりしてなかなか楽しめます。

「新聞記事」はこのくらいにして、アートなドラマをご紹介。さかのぼってジュラシック・パークの年1993年。NHKで宮沢りえ、豊川悦司主演の「青春牡丹灯籠」が作られています。原作は唐十郎。怪談「牡丹灯籠」を下敷きにしていて、時代は江戸時代ですが、アングラ劇を思わせる不思議な空間が演出され、なんと地下でティラノサウルスの全身骨格が発掘されています。頭骨はとても良い出来で、下顎が外れて左右分かれている等芸が細かい。写真 4
hihoukan_9-4.png しかし何よりも宮沢りえがムチャ綺麗です。必見!でも残念ながらDVDなどは発売されていないようです。

宮沢りえと言えば、1990年の主演ドラマ「いつか誰かと朝帰りッ」(フジテレビ系)では自室を恐竜グッズで飾っています。いずれも市販のものですが、壁にはチャールズ・ナイトの絵らしきものも。

1993年の「裸の大将」(フジテレビ系)第58話「清が湖で釣った夢」は、山下清(芦屋雁之助)が北海道の三笠、桂沢湖を訪れる話。劇中、問題のエゾミカサリュウは「恐竜か海生爬虫類か不明の大型肉食爬虫類」と説明されていて、まあ良心的なのですが、恐竜好きの少年が自作だと言って清に見せるフィギュアが、大英自然史のフィギュアに石膏の様な物を塗りたくって粘土細工に見せた代物で興ざめです。最後にココロの動刻ティラノも登場します。

1994年のタモリの「世にも奇妙な物語・七夕の特別編」(フジテレビ系)のエピソード「恐竜はどこへ行ったのか?」は、撮影には今は亡きユネスコ村大恐竜探検館の恐竜をそのまま使っていて残念なのですが、絶滅を免れるために異次元に避難して現在もそこに存在する恐竜を発見してしまったため、生きたまま頭を食われる佐野史郎の演技が強烈です。

とまあ、こうして紹介してきたのは、私がかなり前から、まめにテレビ欄をチェックして録り貯めてきたTV番組の膨大なビデオテープのコレクションからです。これも私にとってはお宝。今回紹介した分はこれを機にDVD化したのですが、いずれ全テープをDVDに落として、リストを作らねばと思いつつ、何年経ったことやら…。

ちなみに、我家最古の恐竜番組は「トヨタ日曜ドキュメンタリー・知られざる世界」(日本テレビ系列)で放送された「恐竜は温血だった!?」前後篇。放送年月日の記入が無いのですが、恐らく1980年代の前半、ビデオデッキを買って間も無い頃だと思います。番組ではオストロム教授がデイノニクスを紹介したり、顕微鏡でハーバース管を比較したりと懐かしの温血説が展開されます。後編では鳥への進化を説明。恐らく日本で最初に温血説をまとめて紹介した番組では?

このようなテレビ番組で使われた恐竜プロップ(小道具)を実際に持っていたら、それは自慢できるのですが、残念ながら…。しかし恐竜以外なら一つだけあります。1990年に放映された「アフターマン~5000万年後の動物たち~」(テレビ朝日系)で実際使われたストップモーションアニメ用モデル「ツリードラマー」です。これは私が`96年に「開運!なんでも鑑定団」に出た時に、たまたま制作会社が「アフターマン」と同じだったので、スタッフの方が「事務所の隅に転がっていた」と言ってプレゼントくれた物です。象の様な鼻と牙が欠損していますが、内蔵されたアーマチュア(間接可動金属骨格)は動きます。ただし材質のラテックスが劣化してボロボロなので、動かすには勇気が要りますが。写真 5は生前の姿、写真 6は近影。
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実際に撮影に使われたミニチュアモデルを部屋に飾れるなんて、スケールこそ違え、大SFコレクター、フォレスト・アッカーマンさんや最強恐竜コレクター、ドン・グルットさんと肩を並べた様な気分になり思わずニンマリしてしまいます。そのアッカーマンさんのコレクションだった(本人のサインが入った証明書付き)恐竜を、ごく最近セカイモンで手に入れました。
アロサウルス写真 7
hihoukan_9-7.png スティラコサウルス(鼻の上の角が欠損しています)写真 8
hihoukan_9-8.png 時代無視の対決シーン写真 9
hihoukan_9-9.png ラテックス製ですがアーマチュアは入っていません。何に使われた物かは判りませんが、いかにもアニメーションモデル然としたたたずまいに嬉しくなります。

モデルアニメーションを使ったカップヌードルのテレビCM、覚えていますでしょうか?原始人が絶滅哺乳類を追い回したり、蹴散らされたりするアレです。写真 10は放映当時のノベルティグッズ、シンテトケラスとブロントテリウムのぬいぐるみ。他で見たことが無いので、けっこうレアなのでは?足元のカップヌードルは1992年の「最後の恐竜王国」展の時の物で、恐ろしい事に未開封です。
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田村博氏

田村 博 Hiroshi Tamura

ジャズピアニスト。1953年1月27日生まれ。
恐竜倶楽部草創期からのメンバー。恐竜グッズ収集家として知られる。東京、横浜のライブハウスを中心に活動中。
1996年に、ベースの金井英人のグループの一員としてネパールでコンサートを行った。「開運なんでも鑑定団」などテレビ番組や雑誌に度々登場。「婦人公論」2002年7/22号で糸井重里氏連載の「井戸端会議」で国立科学博物館研究室長・富田幸光氏と対談。千葉県市川市のタウン誌「月刊いちかわ」に、恐竜に関するエッセイを半年間連載。1998年の夏には群馬県と福島県の博物館の特別展にコレクションを提供。2000年夏には福井県「恐竜エキスポふくい2000」にコレクションを提供、サックス奏者、本多俊之とのデュオで、恐竜をテーマにしたコンサートを行った。

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